もうずいぶん前からわかっていたことだけど、ちょっぴり寂しいニュースが入ってきた。
Adobe Flashが2020年で終了する。
今の若い人たちにはなじみが無いかもしれないけど、Flashというのは96年~2000年代初め頃によく使われていたMacromediaという会社が開発した技術で、簡単に言うと、ブラウザ上で動画やアニメーションを再生したり、ちょっとしたゲームなんかも作れたりする技術。
当時はWeb上で何か動きのあるコンテンツを作るならFlashを使うというのが定番だったんですよね。
今から16年前、僕がはじめて作ったテレビ会議システムもこのFlashを使ったものでした。
フロント画面をFlashとActionScriptで作り、サーバーサイドはPHPとmySQLで構築してFlashと連携、動画のストリーミングはFlashCommunicationServerを使った。
FlashCommunicationServerなんてもうとっくに使われていないけど、これが登場する前の動画のストリーミングはけっこう大変で、情報自体少なかった時だったので、僕は独自の動画転送アルゴリズムやストリーミングサーバーを作ったりしてたから結構苦労していました。
本当はそこまでする必要なかったのですが、小さな会社でお金がかけられなかったので、仕方なかった。
社長が知識の無い人だったこともあって正直かなりの無茶ぶりだったと思いますけど(^_^;)
おかげで随分勉強にはなりました(笑)
FlashCommunicationServerを使うとサーバーとのコネクションから動画配信まで驚くほど簡単に出来たので、当時非常に感動したのを覚えています。
とにかく動きのあるコンテンツを作るならFlash。
これがwebの常識という時代だったわけです。
そんなFlashが2020年で終了。
最大の要因はやっぱりiPhoneですかね。
iPhoneはジョブズの方針で頑なにFlashへの対応をしなかったので、その後Flashの代替となるHTML5が台頭してくると、自然の流れでFlashは使われなくなっていったんですよね。
Flashユーザーからは恨まれてたみたいですけど、ジョブズがもしiPhoneをFlash対応させていたら技術革新が進まず、いまだにFlashは使われていたかもしれません。
そういう点でも彼の存在は大きかったと思います。
技術者以外の一般の人には中々知られてない彼の隠れた功績だと僕は思っています。
現在は主要なブラウザもFlashの利用は推奨していないしほとんどのサイトがHTML5に移行しているので、Flashが終了となっても影響はほとんど無いし、誰も終了することに気が付かないくらい、静かに自然消滅していく感じになるんでしょうね。
一世を風靡した時代を知る者としては、なんだか懐かしいような切ないような、そんな気持ちです。
近年ネットの世界はさらに技術革新が早まっているように思います。
Webに関しては、昔はHTML、CSS、PHPあたりができればそれでOKみたいなところがあってすごくシンプルでしたが、今は言語も開発プラットフォームもたくさんあって、案件ごとに必要な技術を都度選択していかなければいけないので、それに対応できるスキルが必要になる。
だからこれからこの世界に飛び込んでくる若い技術者の人たちは少々大変だなと思う。
ただ技術が広がったということは、そのぶん活躍できる分野もそれだけ広がっていることを意味するわけだし、今後もIT人材は不足する一方ですから、今後非常に求められる職業になるのは間違いない。
僕自身も近年はFXのトレードとその関連の製品開発がメインになってて、web関係の開発は案件自体もなかったせいかあまり取り組んでいなかったのですが、最近いろいろな人を見て刺激を受けていることもあって、改めてWebの分野で何か挑戦をしていきたいと思っています。